カラダの仕組み

猫の基礎知識

基本的に単独で獲物を捕らえるハンターとして進化してきた私たちのカラダは、柔軟な筋肉と鋭敏な感覚器を兼ね備えています。
現代社会でのライフスタイルは変化したものの、野生の名残りを多くとどめています。

ご存知の通り、私たち猫の目は暗闇でもよく見えます。人間の目と比べて7分の1の光量でも十分と言われており、網膜の後ろにあるタペータム(輝板)と呼ばれる反射板の働きで、わずかな光を2倍くらいにして網膜に返すことで、暗いところでも鮮明に見えるようになっているのです。
ちなみに、視力は人間の10分の1程度しかありません。
そんな視力の弱さを補うために、私たち猫の目は動くものに敏感に反応するようになっています。

私たち猫の聴覚は、「犬の2倍」で「人間の8倍」と言われ、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)の中でもっとも優れています。
って、よく聴こえるとは思ってたけど、そんなにすごかったんですね⁉(笑)
その聴力の高さがネズミの声や動く音、気配を感じ取って狩りに役立つというわけですよ。
たまに私たち猫がボーっと天井の隅あたりを見ていると、人間は「そこに幽霊がいて猫には見えているんだ!」なんてバカげたことを言ったりしますが、もちろん耳を立てて「音」を聴いているだけです。まぁホントにボーっとしてるだけの時もありますが・・・・。

私たち猫の舌はザラザラした糸状乳頭と呼ばれる突起があります。
骨から肉をそぎ落とすときに便利な肉食動物ならではの機能です。その他、舌は水を飲んだり毛繕いをしたりする時など、とても器用に働きます。
味覚を感じる味蕾(みらい)と呼ばれる突起も500個程あるので私たちも味を感じることができますが、人間の味蕾の数は約1万個と言われていますので、私たち猫の舌は人間ほど敏感ではないようです。
肉食に特化して生きてきた私たち猫は、甘味は感じないので甘いお菓子は犬と違って興味がありません。(個体差はありますが)
酸味、苦味、塩辛さは感じますが、中でも肉が腐っているかを判断するために酸味を感じる味覚は発達してると言われています。

私たち猫の嗅覚は、人間の数十倍から数万倍と言われています。犬には劣るものの匂いによって多くの情報を収集します。
縄張りを匂いで把握したり、仲間の性別や年齢や発情期のメスの存在なども匂いから知ることができます。

私たち猫の肢はとても器用なことで知られています。
前肢は物を掴む、握る、ごはんを食べる、水を飲む、危険かどうか確かめる、身体の隅々までグルーミングするなど多機能にわたります。
後肢は発達した筋肉と柔らかい関節と頑丈な骨が卓越した跳躍力と瞬発力を生み出します。すごいでしょ。(笑)
肢の筋肉は「速く収縮し疲れにくい」細胞が多いので短距離走が得意ですが、長距離は苦手です。
一方、別の「ゆっくり収縮して疲れにくい」筋肉も持っているので、長時間かがみ続けて一気に獲物にとびかかることもできるのです。
また、私たち猫のトレードマークであるプニプニとした肉球は柔らかく、高いところからジャンプしたときに衝撃を吸収するクッションの役割や、消音、滑り止め、マーキングなどの役割を担っています。

私たち猫の爪は普段は引っ込んでいて、必要に応じて自由に出し入れできます。
爪は何層にも重なっていて、爪とぎによって外側の古くなったサヤが剥がれて、新しい爪が出現します。

ヒゲ

普段何気なく使っている私たち猫のヒゲですが、実は非常に重要な役割を担っています。
ヒゲの根元には外界の変化を敏感に感知するセンサーが豊富に存在し、血液で満たされた「環状洞」と呼ばれる部分は、わずかなヒゲの振動も増幅して近くに分布している知覚神経へ信号を伝える役割を持ちます。つまり、障害物や獲物に近づくと空気の流れが乱れ、その変化をヒゲのセンサーが感
じとるので、私たち猫は暗闇の中でもぶつからないように歩けるし、獲物のいる方向を確認できたりするわけです。
また、大きくジャンプする前も、風速と風向きをヒゲで感じ取っています。私たち猫の平衡感覚はヒゲによって保たれているといっても過言ではありません。
さらに狭い所を通る時にはヒゲをいっぱいに広げ、顔を入れてヒゲが通るようなら体も通ることができると判断しているのもこれらセンサーのおかげです。