これは猫の中でも私が勝手に思っていることかも知れないけど、私たち猫が人間になつくのは「愛情」を持っているからだと思うんです。
これはね、もちろん学術的な話ではないけれど、何となくそう思うのです。私が人間に飼われた経験談ですかね(笑)。
私たち猫がペット化に成功したのは、人間に好かれるように進化したからだと言われています。つまりどういうことかと言うと、私たち猫はめちゃくちゃカワイイってことですよね(笑)
人間の意見で猫を好きな理由の第1位はツンデレの性格をあげる人が多いんだそうです。
私たち猫はマイペースで自由奔放なわりに、急に近寄って甘えたり、そばに座ってみたり、猫の天性とも言える独特の距離感に心を奪われる人が多いと聞きます。私たち猫から見ると意識して行動してることじゃないんだけどね。
先ほど私たち猫は人間をデカい猫と思っているという話をしましたが、それに気づいてくれたのが動物学者のジョン・ブラッドショーという博士なんだけど、彼は「猫は犬と違い、人間を人間として捉えていない」と言っています。
ブラッドショー博士は、犬が人間と遊ぶときは犬同士での遊び方とは全く違うのに対し、猫は人間と遊んでいるときも猫パンチと、猫キックを繰り出し、猫同士で遊ぶときと同じ遊び方をするという事に気づいたんですね。
つまり猫は人間と対等な関係でコミュニケーションをとっているのです。
言われてみれば、なるほどって感じますね。すごいですねブラッドショー博士(笑)
それでも学者の中には「猫は人間を愛してるフリをしてるだけだ」という人もいれば、猫に「愛」という感情なんてないと断言する人もいます。
ここから先は私の友猫の話だけど、彼にはお気に入りの人間がふたりいたんだって。
その人間たちは夫婦なんだけど、彼の愛情の対象は旦那さん。
彼は窓のそばのいつもの席で毎日旦那さんが車で帰ってくるのを待っていた。
車が帰ってくるのを見ると、たとえ雨の日でも車のそばへ走って行って旦那さんが車のドアを開けるのを待って、ドアが開くやいなや車の中の旦那さんに喉を鳴らしながら飛びついてはスリスリ顔をこすりつけていたんだって。
この行動は、ごはんをくれるからとか、食べ物が動機になっているわけではなく、むしろ奥さんの方がいつもごはんを用意してくれていたのに、彼は奥さんにはそういう行動をとったことがなかったらしい。
彼はどうしてこんなキモチになるのかわからなかった。
でも私は、旦那さんのそばにいる彼を見たことがあるんだけど、心からシアワセを感じているのをハッキリと見て取れたのよ。
彼はきっと、飼い主さんに「愛情」を抱いていたに違いない。
人間界の研究では、猫は他の猫に愛情を感じる能力があることが判明しているそうです。
だとすれば、人間のことを同族のデカい猫だと思っている私たちが、人間に愛情を抱くことは何ら不思議はないですよね。
私たち猫にクールなイメージを持つのは自由だけれど、そんな私たち猫が人間になつくのは感情的な要素もあると私は考えるわけです。
もちろん世の中の猫すべてが愛情というキモチを理解しているとは言いませんが。
そこの飼い主さん、こんな風に考える猫も世の中にはいるのです。
すべての猫が同じ感情を持つとは限らないのです。
まさに十猫十色なのです。
私たち猫は人間とコミュニケーションを取る際にニャーと鳴きますが、飼い主さんは気づいていると思います。
私たち猫のニャーには、「怒った」ニャーや「甘えてる」ニャーがあることを。
そのニャーは、人間にだけ向けられた、私たち猫の感情的要素が詰まっていることもあなたはご存知なはずです。
今後は私たち猫のニャーにもっと耳を澄ましてください。
時には声にならない声で伝えたいこともあります。(サイレントニャー)
そこにはあなたたち飼い主さんが、思いもよらなかった愛情が見えるかも知れません。ある程度の猫語を理解してこそ、私たち猫が望むステキな猫の飼い主と言えるのです。