ここでは獣医師監修のもと、症状から病気を探ってみましょう。
まずは子猫編です。
体力のない子猫は成猫にとってそれほど深刻ではない症状でも命取りになることが少なくありません。子猫の普段の様子をよく観察しておき異変に気づいたら速やかに病院を受診しましょう。
子猫編は「症状から病気を探る~成猫編~」に概ね準じますが、ここでは子猫の時期に気をつける症状として代表的なことを以下に記します。
食べてすぐ吐く
吐いても元気にしているようなら問題はないですが、一日に何度も吐いたり数日にわたって吐いたり、食餌ごとに吐くことを繰り返すようなら病院を受診しましょう。
先天性の場合では食道の周囲の神経や血管に異常がある子猫が離乳期に症状が出てくることが多い病気もありますので、早めの受診を心がけましょう。
吐く症状として、こちらはすぐに吐くとは限りませんが、異物(ビニールや紐など)を飲み込んだ場合に吐くことがあります。
子猫はいたずらが好きなので子猫の行動範囲は整理整頓をするように心がけましょう。
下痢と嘔吐
急性と慢性の場合があります。食餌が変わった・食べ過ぎた・冷たい食餌を食べたなど、食べたものが原因の場合とウイルス感染や細菌・寄生虫が原因の場合があります。
回虫という寄生虫は母親から胎盤感染していることがあり、成猫では症状がなくても子猫では成長に影響がでます。体力のない子猫に発生する消化器の病気は命にかかわることが多いので早めに病院を受診しましょう。
咳・発熱・呼吸困難
食べ物を食べるときや、逆に吐いたときに液体や固形物が気管や肺にまで入ることがあります。例えばミルクをシリンジなどで一度に大量に与えたり、ミルクを哺乳瓶で飲ませるときに仰向けにした姿勢で飲ませた場合などに誤嚥を起こして肺炎を発症することがあります。
哺乳瓶等でミルクを与えるときは母猫のお乳を飲むときと一緒でお腹を下にした体勢で飲ませます。少量づつミルクや離乳食を与えるようにしましょう。
目の異常
ウイルス感染によって発症する場合が多く、目が開かず膿んだようになり赤く腫れたり、涙・目やにがひどい・充血などの症状があります。両目に発症することが多く、くしゃみや発熱を伴っている場合もあります。適切な治療が必要となりますので、早めに治療を開始しましょう。
うんちが出づらい
便秘の症状とは別で、便意はあるのに排便の姿勢を取ると痛そうにし、メスでは肛門ではない外陰部からうんちが出てくることがあります。鎖肛(さこう)という肛門が不完全なまま生まれてくる状態で、発症率としてはとても低いですが子猫のうちに症状を発見できれば早急に治療を開始することができます。
健康診断で受診したときに検温の場面で気づくこともありますので、子猫の健康診断は様々な病気を発見する上でとても大切なこととなります。