症状から病気を探る ~成猫編②~

猫の病気

今回は「症状から病気を探る ~成猫編①~」からの」続きになります。
猫の健康管理は飼い主さんにしかできません。
猫の様子はこまめにチェックして健康管理に気を配り、もし異変に気付いたら速やかに病院を受診しましょう。

鼻水

鼻水は風邪の主症状ですが、重症化すると治療が難しくなるので早めの対処が効果的です。
透明なサラサラした鼻水は鼻炎の初期段階ですが、鼻水が不透明な粘液になるようだと、副鼻腔炎や腫瘍が疑われますので、病院で診察を受けましょう。

ヨダレ、口臭

口臭が強くなり、ヨダレを垂らすようになったら口内炎を疑います。口の中に異物や刺激物が入ったことで起こる外傷や、ウイルスや細菌の感染など痛みを伴うような場合もありますので病院で診察を受けましょう。慢性的な胃の病気でも口臭が強くなります。
また、毒物による中毒でヨダレを垂らすことも考えられますので、原因となった物質が分かれば、それを病院に報告するだけで治療がスムーズにいくことがあります。

目やに・涙目

猫がやたらと目をこすったり目を物にこすりつけたりしているようなら、目にかゆみや痛み、涙目や目やにといった症状が現れているはずです。目を触れば触るほど悪化する傾向が強いので、すぐに病院で診察してもらいましょう。

片目から涙を流す

猫が片目から涙を流す場合は、目の病気と鼻の病気が考えられます。
他に、目に異物が入った場合やリンパ腫、歯周病などが原因になることもあります。
流涙症は涙があふれて外に流れ出ている状態で、結膜炎や角膜炎にかかっていることや、目に傷があって涙の分泌量が増えていることが考えられます。
また、涙を鼻の奥へ排出する涙小管や鼻涙管という器官が詰まったり狭くなることで涙が流れなくなり、目頭から涙が溢れてしまっていることも考えられます。
いずれにしても、涙が流れ出ているという症状を見つけたら出来るだけ早く病院へ連れて行きましょう。

目の白濁

眼球全体が白く濁っている場合は、外傷や細菌感染などが原因で角膜が炎症を起こしていることが考えられます。瞳孔が白く濁っている場合は眼圧が上昇して色が濁る緑内障か、水晶体が白くなる白内障が考えられます。いずれにしても白濁に気づいたらすぐに治療を受けるようにしてください。

耳の異常

後肢で耳をかく、頭を振るなど、猫が耳を痒がる仕草を見せたら耳の中を観察して赤くなっていたり、膿が出ているようならすぐに病院で診察を受けてください。
猫の外耳道はL字型に曲がっているため、耳垢がたまりやすく、そこに水などが入ると細菌が増殖して炎症を起こす場合があります。猫はもともと耳を触られるのが苦手ですが、極端に嫌がったり、触った時に痛がる時は外耳炎や内耳炎の可能性があり要注意です。
野良猫と接触する機会がある猫が耳をひどくかゆがる場合、耳ダニが寄生していることがあり、同居の他の猫にも移ります。病院で受診して確かめてもらいましょう。

毛艶が悪い

猫が体調が悪い時は、毛艶も悪くなっていきます。下痢や嘔吐で脱水症状を起こしている時は毛がパサついてきますし、皮膚にトラブルがあるときは毛のつやが失われ、フケや脱毛がみられることもあります。
グルーミングが足りていない場合も毛づやが悪くなります。皮膚病や寄生虫による病気を防ぐためにも、グルーミングは重要です。

脱毛

脱毛が見られたら、何らかの皮膚病を疑います。早期発見のためにも日々のグルーミングで皮膚の状態を調べましょう。
近年ではアレルギー性皮膚炎が原因で毛が抜けることもあります。細菌の種類や脱毛する場所で治療法も異なるので、早めに病院を受診しましょう。ホルモン失調では左右対称の脱毛もあります。

お尻を気にする

猫がお尻を気にしているようなら、肛門やその周辺に異常があるかも知れません。
お尻を地面にこすりつけたり、執拗に舐めたりするようなら、病院で診察を受けましょう。

フィラリアについて

フィラリアは蚊が媒介して猫や犬の心臓に寄生する寄生虫です。体長は成長すると約30cmくらいになります。フィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)を吸血した蚊に刺されることによって感染します。フィラリアに感染した猫や犬から人間には感染しません。
症状としては咳、食欲不振、呼吸が苦しい、吐き気、体重減少が多く見られますが、猫では症状が見られるときにはすでにカラダは危険な状態のことが多いです。
予防薬は飲み薬やスポットタイプがあり、幼虫の状態までは確実に予防でき、それ以降の未成熟虫や成虫では効果がありません。
外出する猫や室内飼いの猫も蚊がいる環境で生活する猫の場合は成猫、子猫ともに投薬することが大切です。
フィラリア予防は「蚊が発生しはじめてから1ヶ月後」から「いなくなった1ヶ月後」までの間続けることが大切です。