私たち猫の発達段階に社会化期という時期があります。
一般的には生後3週間~3ヶ月の子猫の時期です。この時期は本来、猫社会のルールを学ぶ時期なのですが、現代ではこの時期に人間の家庭で過ごすことが人間と良い関係を築く第一歩になると言われています。
特に、子猫時代の生後2~3ヶ月に人間と暮らし始めるのが最適と考えられています。3ヶ月を過ぎると子猫によっては人に対して警戒心が強くなり慣れにくくなるからです。
また、この時期に飼い主さん以外の人間と接触がない環境に育つと、ほかの人間に慣れるのが難しくなります。女性の飼い主さんに育てられると男性が苦手になる、ということもあるようです。
こういうことがないように、人間の赤ちゃんや小さな子ども、男性、女性、年配者など、様々な種類の人間に会っておいた方が私たち猫にとっては得策です。
その他、注意することもあります。
私たち猫は元来、触られたり抑えられたりすることが嫌いですが、人間の中にはなぜか私たち猫をやたらと触りたがったり、水の中に入れたり(シャンプーと呼ばれています)、挙句の果てには抑えられて爪を切られたり、とんでもない種類の人間もいます。
これらは人間と暮らす上で避けて通れない問題ですが、生後3ヶ月までの社会化期までに、これらの経験をしておくことで将来大きな問題にならない場合もありますので、飼い主さんには知っておいてほしいと思います。
ただ、飼い主さんが無理強いするタイプだと、いくら経験しても嫌なイメージがついてトラウマになる可能性もあります。
飼い主さんは十分注意してくださいね。
私たち猫は、生まれつき人間と親密だったわけではありません。
ごはんと寝床を分けてもらうだけの関係であっても、私たち猫はそれ以上のものを必要としません。
私たち猫の本能である、嫌なことはしない、嫌いなものには近づかない、この生き方を貫く強い意志を持ち続けることが私たち猫にとって大切なことですから、猫諸君も心して人間と向き合っていきましょう。