猫に必要な栄養

猫のごはん

猫は「完全肉食動物」です。
これは肉しか食べてはいけない動物という意味ではなく、「肉が食餌に入っていなければならない動物」という意味です。
常にタンパク質の一部をエネルギー源として使い続けるので、食餌には必ず肉が入っていることが必要となります。
ここでは、猫に必要な栄養素とは何かについて考えてみます。

タンパク質

人間のエネルギーの源が炭水化物だとしたら、猫にとってのエネルギーの源はタンパク質です。タンパク質は、筋肉や臓器など私たち猫のカラダの成長や維持に欠かせない栄養素です。
タンパク質は炭水化物や脂質から生成されることはないので、食べ物から摂取しなければならず、体重1kgに対して3~5gが摂取量の目安とされています。
タンパク質の排泄には腎臓や肝臓にも負担をかけるので、適切な量を与えるように肉食動物である猫は草食動物や雑食動物に比べて腸が短くタンパク質の吸収に適しているんだって。

アミノ酸

タンパク質は、そのもとになる20種のアミノ酸が適切なバランスで組み合わされて構成されています。猫の体内では、需要に見合うレベルで生成できないアミノ酸があり、必須アミノ酸として食餌から摂らなければなりません。
猫にとっての必須アミノ酸は、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、アルギニン、タウリンの11種で、このどれか一つが欠けたり、不十分になると、それ以外のアミノ酸の利用にも悪影響が出てくるので注意が必要です。
タウリンはアミノ酸の一種ではありますが、厳密にはカルボキシル基をもたないため、アミノ酸には分類されていません。
しかし、このタウリンとアルギニンのふたつは、猫のごはんを考える場合、絶対に欠かせない必須栄養素なので覚えておいておきましょう。

ビタミン

ビタミンは皮膚や被毛の維持、病気に対する抵抗力を高めるなど、猫の成長を助ける様々な働きをします。
また、ミネラルとの関わりが深く、体内の組織構成を助けます。健康な猫はビタミンC以外のほとんどのビタミンは体内で合成できないので食べ物から補う必要があります。

ミネラル

カルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラルは、猫の骨格の形成と体液バランスの維持などカラダの基礎となる部分に欠かせない栄養素です。
ミネラルを体内でうまく機能させるためにバランスよく摂る必要があって、特定のミネラルが不足したり、逆に過剰摂取になると体調を崩す場合があるので注意が必要です。

脂 肪

脂肪は、猫の脳や筋肉を動かすエネルギー源で、脂肪を摂ることにより免疫機能も向上し、風邪をひきにくい体作りをします。しかしカロリーも高いので肥満にならないようにバランスを見極める必要
があります。
でもね、脂肪は何といってもごはんの美味しさのもとなんですよね。
食いしん坊の猫は要注意ですよ(笑)。
また、猫は必須脂肪酸であるリノール酸やアラキドン酸を体内で作れないので、食べ物から摂らなければなりません。

炭水化物

炭水化物に含まれる糖質は、猫の体内でブドウ糖に分解され、脳や神経細胞などを動かすエネルギーとなりますが、猫にとって基本的に炭水化物をエネルギー源にする代謝系は弱いです。
というのも、猫が野生のまま肉食動物として暮らしていれば炭水化物を取る機会はほとんどないからなんだ。
肉食の猫は、炭水化物は体内で消化しにくいので、一回のごはんで炭水化物の含有量は35%未満におさえるのが良いとされています。
昔から言われているご飯にカツブシをかけた「猫まんま」のようなものは、猫にとっては良質のごはんとは言えないんだよ。

食物繊維

猫にとって食物繊維は肉食である猫の腸では吸収できず、食べてもそのままうんちとして流れてしまいます。体内で栄養にはならなくても、食物繊維には腸内環境を整え便秘の予防、解消に効果があると言われています。
また、脂肪の吸収率を抑え肥満防止としての効果も期待されています。